ミンストレル、ひとときの帰還

2年の時を経て、僕は戻ってきた。
いや、単に戻ってきたのとは違う。

多分、進化の過程にあって、一度「立ち寄った」に過ぎないのだと思う。
これから未踏の地に向かうにあたり、生家に別れを告げにやってきたようなものだ。
けしてもう2度と戻れなくなるから。

僕の中の音楽家は、此処で生まれた。
この場所は僕の原風景。

すでにこの場所からは、僕をここから追い出した闇の幻影は消え去っており
去り際にできなかった、生家と「静かに向き合うひととき」を与えられたのだ。

それは闘い続けたこの2年間の報酬。
多分、この筋書きは神の意志で創られてあったのだろう。

秋晴れの空をぼんやりと見上げながら
僕は深く静かに呼吸をする。

きっとあの時とはまなざしが全く別人になっている。

なぜって、

この家はもう、僕には小さすぎると感じるから。

再び歩みだすべき道を見定めようと
僕は目を凝らす。

ふつふつと感謝の気持ちが湧いてくるのを抑えられない。

ハレルヤ。
祝福を。

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