07 ダンジョン日和 ~勇者かのるすの冒険/INs°026

何日もかけて平原を南へと歩みを進めた勇者かのるす。
新しく手に入れた剣、オーロラソードはとにかく抜群の攻撃力を持っていた。

あの武器屋の男は信用に値する。ちょっと騙されたような気がしていたが買って間違いはなかったようだ。

魔物たちとの戦いにもずいぶん慣れてきた。
途中、小さな村があり、立ち寄ってみたが魔物に襲われて見る影もなくなっていた。
魔王ゴンゴルゾーラの仕業・・か。酷いことをしやがる。

一路、南へ。

ついに地下渓谷へ降りていける階段を見つけた。
これが例のダンジョンであろう。

海に囲まれた魔王城へと渡ることができる唯一の地下道らしいのだ。

松明を灯し、ゆっくりと降りていく。
ここは以前は炭鉱だったらしい。あちこち掘り進めた跡があり、ツルハシやヘルメットがそのままになっていた。

それにしても暗い場所なせいか、コウモリみたいな魔物がよく襲ってくる。オーロラソードを振りかざすと奴らは眩しさで幻惑されるらしく動きが止まる。そこを攻める!バッタバッタとなぎ倒す!うーん、勇者らしい感じになってきたあ。

と、自分に惚れ惚れしながらかのるすはダンジョンの奥へ奥へと入って行った・・そして。

それまで狭かった通路から、開けた広場のような場所に出た。
すると地鳴りのような音が聞こえ、地面が震え始めた。
思わず身をかがめたかのるす。

「アハアハアハ、かかったな。思いのほかここまで来るのはラクだったろう?油断させてここで食っちまう作戦だったのよ。罠ですよー!覚悟しな!」

罠?アイワナビーユアマン!?
とにもかくにも、ワナワナシテきたかのるすであった。
戦慄(わなな)くかのるすに勝機はあるか!?ってダジャレ言ってる場合かよ!

ムッシュより
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