13 悲劇 ~勇者かのるすの冒険/INs°032

ドオオオオン。

轟音があたりに響き渡る。おいおい、建物のなかでこんなに派手にぶちかますなよ。みんな死ぬだろが。・・とかのるすは思ったが、とりあえず、自分に怪我はなさそうだった。

煙が晴れてくると状況がわかってきた。
先ほどまで張られていた結界が元に戻りつつある!父かの蔵は??

かの蔵はゴンゴルゾーラの攻撃を受け、結界の外に倒れていた。どうやらまだ息はあるようだが・・。

「あっはっはっは。これで力が元通りだ。再び結界が解かれてはたまらんからな。今度こそ、死ねい!」

やめろ!

「たのんだぞ・・かのるす。お前には父親らしいことはなにもしてやれなかったのが心残りだ・・」

ドオォォォォォン!

そうしてかの蔵はゴンゴルゾーラの攻撃に無残にも倒れたのである・・。

嗚呼、悲劇。
それは物語には避けられぬスパイス!

されど、魔王との闘いはまだ続いていた。

アッハッハッハ。
不気味に笑う魔王、ゴンゴルゾーラ。

ゴンゴルゾーラは圧倒的な力を取り戻し、かのるすに襲いかかった。
さきほどまでとはけた違いのパワー、スピード!

かのるすは確実にダメージを受け、苦戦を強いられた。
このままではやられてしまう!もはやこれまでか?

「ワハハハ、愉快よ。勇者と言っても実力はこの程度か?もうこれ以上勇者は湧いて出ることもないように滅ぼしてくれる!我が時代の到来は近い!かのるすとやら、時間つぶしにはちょうどよかったが、そろそろ終わりにしてやろう。ラクになりたろう?父親が地獄の渕からお前を呼んでおるぞ。さあ!」

その時、どこからか声が聴こえてきたのだった。

<かのるす>

<今こそ あなたのなかの月の力を 解放するのです>

月が、かのるすの心に語りかけてきたのだ。

ムッシュより
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