忘年会を忘れて、いつものバーで

個人的なハナシなんだけど、「忘年会」がこの2022年の年末は一度もないまま年を越そうとしている。あれ、去年もなかったっけな?

コロナ禍になってからというもの、自分の周りではこういう飲み会の類は一網打尽にされた印象だが、正直に言わせてもらえば、これを好機とばかり、職場とか付き合いの飲み会はもう別に無くなってもらってもいいのかなと思っている。

昔は当たり前にあったのに・・、ふと気が付いたら、自分が「無くなってもらっていい」・・と、そんな風にまで思っていることに若干の驚きを覚えるけれど、みんな多かれ少なかれコロナによってそれ以前とは物事の捉え方に変化があったのではないだろうか。それだけのインパクトがコロナにはあった。

日本という国は人間関係でどうしてもムリをしがちだ。
みんなそれを扱いきれなくて、相当に疲弊しきっているように僕には見える。
それから、ネット上の顔の見えない相手にまでどうしてあそこまで配慮する必要があるのだろう。相手は悪意があるかもしれないのに。いや、悪意があるからこそ、陰に隠れてコソコソと石を投げてくるのである。
そんな人間に敬意を払う必要などあるだろうか?
僕には全く理解できない。

タテマエという日本ではおなじみの、よく知られた言葉があるが、僕はこれをずーっと不得手としてきた。
海外に行ったとき、「お客様は神様」待遇をされなかったとしても、逆にすがすがしさすら感じているのが、僕だ。

あれは、スコットランドに行ったとき。
エディンバラのガソリンスタンドに併設されているコンビニで、ド派手なメイクにガムを噛み噛みしてる若いパンキッシュガール店員に出会った。髪もピンクでね。彼女、じっと見つめていたらガム風船を膨らましそうなほどマイペース。店内にかかってる音楽でリズムをとりながら退屈な仕事をやり過ごしていた。
僕が給油の代金を払ってサンキューと言うと、彼女、怪しい視線でこちらを一瞥し、ハヴァナイスデー、とハスキーな声で言った。そのとき、なんだかグッと来たのである。
頭の中に映画トレインスポッティングの映像と、イギーポップのラスト・フォー・ライフが流れてきた。おおそうか、ここはエディンバラじゃないか。

僕は基本的に誰に対しても、思っていることを正直に言ってしまいたいタチだ。でもそれだと、確実に嫌がられる。
職場とかで自分にとって目上の存在、そういう人々にも思わず、本音を言ってしまうのだが、その行いはたいてい、面倒を連れてくることになる。
素でいたがための、数々の面倒な経験を大人になって何度も積み重ねてきていたから、不用意なことはもはや言わないに限る、というスタンスがいつしか自分自身も意識しないところで定着してしまっていた。そのことに最近気が付き、愕然としたのである。
そういうスタンスは実につまらないし、時に自ら大きなストレスを抱える要因になるが、好きにふるまってもたらされるギクシャクした人間関係よりは、まあ、幾分マシだったりする・・とも思った。

そんな風に考えている人間だから、日本の縦社会にはこの先もおよそ馴染みようもないし、これまでの社会人生活のなかで上司と呼ばれる人々からは煙たがられてきたことも、仕方ないよなと我ながら思った。え?キミにも大いに問題があるよって?
ハハハ。I agree.
うん、それはあるかもしれない。簡単に言うと、生意気なやつだって思われるんだろうね。
でも、それを変えると僕じゃなくなってしまうんだよね。
コロナを経て余計に強く思うようになったけど、こういう自分を全く変える気はないし、そんな自分に誇りすら感じてるありさまだよ。

そうだ、忘年会の話だった。どうも話が逸れるね。年忘れだからかな。ハハハ。
気の合う仲間と飲むのは最高に楽しい時間だって思うけど、その逆はわかりやすいほど地獄である。うん、地獄!笑
もはやそんなものを我慢して参加するほど、自分には、この世界には、余裕はないということなのじゃないか・・。少なくともそんなムリをするために身銭を切りたいとは思わない。

だから、今夜はそうだな・・Heavenという架空のバーで僕はひとり飲むことにしよう。
好きな曲を演奏してくれるバンドたちをぼんやり眺めながら、マイペースに飲むんだ。
水入らずで。うらやましいだろう?
あ、もちろん、あなたなら歓迎するよ。一緒に2022年を、忘れようじゃないか?
このバーで、待ってるよ。

ムッシュより
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