生命はそこはかとなく、けれど健気に/Birds Fly/INs°122

月の光のなかへ飛び立った鳥

大海原へ
降りたつ場所はないかもしれないが、大丈夫
もうどこまででも飛んでいけるだろう

かつて深い森で翼を休め
死の淵に身をやつしていたが
傷はもう癒えていた

今、人のカタチのような巨岩が目印の岬を通り抜けると
長いあいだ離れ離れだったつがいがあらわれ
方向を指し示す

どこへ向かうのか、それはまだ定かではない
そこはかとなく飛び立ったけれど
直感が助けるはず

火の鳥はいたのだと
人々はいずれ知るだろう