蒼いたましい/INs°001

静かな年明け前、夜と朝のあいだ。
密やかに、穏やかに。

たましいは雪化粧の山奥から、明滅しながら、螺旋を描きながらやってくる。
始まりを告げるために。
もう終わったことは嘆くのをやめるように。

はるばるスペインからやってきたあのギターで、このメロディが奏でられますように。

蒼いたましいが軽やかに里山を駆け回り、みやびな感情が呼び起こされますように。

人も鳥も、まだ誰も目覚めてもいないこのときに、私の意識は勝手に夢想していた。

まるで兎が跳ね回るようじゃないか、と。

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