いっそう山道を進んでいくと、突如、闘いのティンパニーが打ち鳴らされ、私の鼓動はいや増して高まった
ついに始まったのだ
最終章への序曲が
ともすれば怖気づこうとする私自身を必死に抑えこみながら
負けてなるものかと、鼓舞する
山頂は真っ暗な雲に覆われ
視界は霧で遮られた
誰かの怒号のようにも聞こえる音楽
それは私自身の叫びだったのかもしれない
さあ、来るがいい
私の旅は誰にも邪魔をさせない
ドラゴンのシルエットが闇に浮かび上がる
灼熱の炎を吐くたびにその姿が見え隠れする
それはあなた自身の恐怖がこしらえた幻
恐怖が大きいほど、その姿は巨大だ
向き合え
その弱さと
向き合え
己の使命と
ドラゴンを呼び込んだのは紛れもない私自身だからだ