構想/Elephant’s Dream/INs°176

閉店後、客のいなくなったBAR公家では店主の公家サンがウッドベースを弾いていた。
ムッシュ・カノルスは洗ったグラスを拭きながらそれを、聴くともなく聴いていた。

公家サン、彼もまた一人のプレイヤーであったのだ。
彼のルーツは謎に包まれているが、過去にベースプレイヤーとしてプロだったらしいことはカノルスも知っている。

腕前は確かだった。

突如、カノルスの心の中で点と点が結ばれ、一本の線になったのを感じた。

INSPIRATIONs 10月「OPEN MIC!」はこれにて終了です。
次月11月テーマ「the RETURN of Navy Red」でお会いしましょう!