何かと「トシはいくつ?」と聴いてくる人の心理

「トシはいくつ?」と聴かれてあなたは楽しい気持ちになったことがあるだろうか?
それに関して昔からちょいちょい気になっていたことがあり、最近も感じるきっかけがあったので、これについて書いてみる。

知り合ったばかりの人などに何気なく、急に、聴かれることがある。

「失礼ですが、おいくつなんですか?」

「失礼ですが」もつかず、唐突に「あなた、いくつなの?」と聞いてくる人もいる。
まあ、それは単純に失礼な人かもしれない。あなたこそ、おいくつになられたの?と聞きたくなる。年を聞いてくる人は大抵が年寄りだ。

僕は別に、音楽活動などをするなかで年齢非公表と宣言しているわけではないし、そういう他者への興味自体にはまあ、それほど気にはならない。お好きにどうぞ。
だが、その「トシいくつ?」とたいていセットになって続く言葉、そしてそれに付随する相手の感情に、違和感を覚えることが多い。

もちろん、知り合ったばかりの人との間では、話題がないけど話さないとならないシチュエーションというのもあろうかと思う。そういう時にただの世間話の一環として出てきがちな話題だったりもする。

なのだが、どうしても違和感があるのだ。
あなたはこういうシーンに出くわしたことはないだろうか?

「あなたおいくつ?」

「・・★歳です」

「じゃあ、〇〇ですね」

そう、僕はこの「じゃあ、〇〇ですね」に対して、非常に違和感というか、もっとハッキリ言うと不愉快な感情を毎度もってしまうのである。

〇〇には色々あてはまるが、もしあなたが経験したことがあるならば「ああいうこと言われたな」と記憶がよみがえるのではないか。いうまでもなく、その〇〇にはネガティブな言葉が十中八九入っている。あなたが相当に若くない場合は。

その時点でもう十分不快なのだが、それにしても、このモヤモヤの正体は何だろう・・?
今まであまり掘り下げて考えたことはなかったが、なぜかいつもつきまとうイヤな感情・・。

しばらく立ち止まり考えてみて、ちょっとわかった気がした。
それは何かというと・・、

年齢を尋ねてきたその人の価値観や経験、そういったものから導き出されるのが「〇〇ですね」であり、それは、こちらの意志や気持ちを推し量ることなく、一方的にこちらに届けられるもの・・なのだ。ある種「決めつけ」みたいなもの。

そしてさらに厄介なのは、その「決めつけ」に対しては反論をすることが許されない空気が漂うのだ。

「じゃあ、〇〇ですね」
「いや、そうでもないですね、僕は・・」

と反論したいのだが、相手はそこまでの議論をするつもりがない。
ただの話の流れでトシ聴いただけ、にすぎないのであり、反論などしようものなら「この人、メンドウだな」という顔をされてしまうだろう。

僕はこの日本という国にあって、ほかの人より比較的、個人主義が強い傾向があるかもしれないが、誰かに勝手に僕についての何かを決めてほしくない。

多分相手は、「そうなんですよ~お互いトシとるのイヤっすよね~」的な返事が返ってくればいいと思っている。程度の低い同調。なんか傷の舐めあいをしているみたいな気持ちになる。

傷の舐めあいをしたいかもしれないその人は、どこか自分の人生に後悔なりをいだいているのかもしれない。例えばこんな風に

そういう予定調和的な同調を引き出し、さも打ち解けたような空気感を演出するのに年齢を聞くという行為は使われている、と僕はみている。
僕みたいなメンドウな人からすると、一番程度の低いワードに手(いや、口なんだけど)を出したな、という感じで受け取るし、「この人とはあまり深い話はできないだろう」と判断するきっかけにもなっている。第一、そういう人は話が面白くないことが多い。ほかに話すことはないのだろうか?いや、決めつけじゃなく、あくまで自分が知るばかりの傾向を言っているだけ・・であります。

若い=正義
というのは特にこの国では間違いなく浸透した考えだろう。ちょっと病的なものすら感じている。それくらい、誰でも多かれ少なかれ、この考え方には支配されていると思う。

だから、あの人が自分より年上だったら安心するし、自分より年下なのに立派なことを成し遂げているあの人を見て焼きもちを焼く。

「年齢」がすべての比較の基準になっている。

「若々しい」は誰にでも使っていいが、「若い」は若者のための言葉である。若さにおいては若い人には敵うわけがない。そこで勝負したってしようがないのである。
だから、そこで「若くない人」が否定されるとすれば、世の中のほとんどの人がダメということになる。

「みんな違ってみんないい」はどこ行ったんだ?
理想はそうだが、本当はそうじゃない。建前と本音がここにもある。

こういう面倒くさいことを考えている人間もいるので、安易に「トシいくつ?」のワードを出しがちな人には少し気を遣っていただけたらありがたいなと思う次第である。

そういう答えに行きついたので、今後「トシいくつ?」にはこう答えようと思う。

「秘密ってわけじゃないですが、それについては答えないようにしているんです(ニコ!)」

悠久の時を思えばささいなことではある。リング・オブ・ブロッガー/スコットランド・オークニー島

少し違う話だけど。

人の趣味云々を否定する気はさらさらないが、自分の趣味もまた発言する権利はあるだろうと思って書くのだが、世の中のあらゆるところにはアニメヴォイスが流れる仕組みがあるような気がしてならない。あれが少し苦手だ。

電車の車内アナウンス、回転すしのお届けヴォイスとかそういうの。
デフォルメされたキャラクターが、やる気満々の録音ヴォイスで伝えてくれる。

「次はぁ、〇△。〇△でぇございますぅ」みたいな。ちょっと誇張しているけど。

僕としてはもう少し控えめに伝えてほしいのだ。
なんなら超~地味で構わない。

もしくは、アニメヴォイスがあるなら、大阪のおばちゃんヴォイスがあってほしい。
「次は〇△やでぇ、間違えんときぃ!そこ、押さんといてや!ほな、おおきに」
みたいなの。聞いてみたくないですか?・・通勤通学で毎日聞くのはしんどいか笑

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