i-vi-tsu /INs°098

不正と書いて歪(いびつ)。
でも、みんなが認めるその「正」が歪ではないとは誰も証明できない。

私たちが正としたものは慣例的なもの、知らない誰かの本能的判断によるもの。
私から見ると、世の中で歪とされたものも、正と見えることだって多々ある。

私は押し付けられたくない。
押し付けられた時点で正とされたそれは、醜く歪んだ表情でこちらを見る。
冷たい目つきでこちらを見る。空っぽ。

他方、「歪で美しい」という表現だって私は支持する。
そうなると歪が正でないとはもはや言えなくなってくる。

フルーツのカタチ。
ダンサーのポージング。
溶岩が固まってできたフォルム。

イビツがヒミツを抱いて私たちに訴えかける。