Somebody’s Diary/INs°215

テーブルに置かれた黒いノートブック
それは誰のものだろう
ふと、興味をそそられて開いてみる

そこにはまだ迎えていないはずの未来への日記が書かれていた

ジェイド(翡翠)色した
美しいグリーンの文字

筆跡は独特で
走り書きされていた

ページを繰っていると、ストーブの上のポットの蓋がカタカタ言い出した
そうか、ここには先ほどまで誰かがいたのだ

きっとこのノートの持ち主

私はノートを元あった場所に置き、コートを着て外に出た
雪がちらつき、誰も歩いていなくて、静かだった