夜眠っているときに
白くて長いローブを身に纏った天使が現れた夢を見た
眠っていたはずだけど
その声は眠りの壁を飛び越えて
私の内側へ入ってきた
「なりたいものに、なればいい。それを止めているのはあなた自身だと知りなさい」
天使が私から視線を反らし、後方へ向き直る
私もそちらを見た
小高い丘に建つ城の姿がおぼろげながら見えた
建設は続行中だ
完成はしていない
まだ・・
再び天使はこちらを見る
「あれができるまでに、あなた自身が相応しい存在になれるかしらね」
「城には主がいなくてはならない。今は大天使聖ミカエルの魂があそこを護っている」
「あなたが継承するまでの間は・・。城の建設が済めばミカエルは離れる」
「光と闇は表裏一体。地底にはその存在がいることも知らなくてはいけない」
バランス。
それを保つのは決意があるかどうか
天使は消え、私は再び眠りの世界へ戻っていく