First Impression/INs°307

その人の初めての印象はよくなかった
来たばかりだというのに持論を展開し
私たちをドン引きさせた

だけど日を追うごとに
彼はただのいけすかない野郎ではないことがわかってきた

彼は約束を破らず
タスクは期限を守り
きちんとこちらの意見も尋ねてきた

議論を戦わせることを好み
それについては微塵も遠慮がなかった
そこは気に食わないが

だんだんと気がついてきた
彼のくる前
此処はただの仲良しクラブだったことを

いけすかない奴だが
カンフル剤になったことは確か

ある時彼は言った

「どうすべきか選ぶのはあんただ」