その人の初めての印象はよくなかった
来たばかりだというのに持論を展開し
私たちをドン引きさせた
だけど日を追うごとに
彼はただのいけすかない野郎ではないことがわかってきた
彼は約束を破らず
タスクは期限を守り
きちんとこちらの意見も尋ねてきた
議論を戦わせることを好み
それについては微塵も遠慮がなかった
そこは気に食わないが
だんだんと気がついてきた
彼のくる前
此処はただの仲良しクラブだったことを
いけすかない奴だが
カンフル剤になったことは確か
ある時彼は言った
「どうすべきか選ぶのはあんただ」