果実を口にした俺たちは
散り散りバラバラ
地獄へと堕とされた
過去に会った者たちも
顔が晴れ原型をとどめぬ
阿鼻叫喚
苦しみは限りなく
終末の様相
だがそこで肝心なのが
“ここがエンディングではない”と理解することだ
物語は続く
終わりはない
この酷い地獄もまたストーリーの一部
ならば、元々大筋はあったのかもしれないが
自分で好きに書き換えて仕舞えばいい
俺のポケットには幸い万年筆があった
そう思った時
頭上に蔦のように降りてきているロープが見えた
なるほど
どこにでも救いはあるものだな
俺はここにいる誰よりも
冷静だった