The Spider’s Threads(蜘蛛の糸)/INs°571

果実を口にした俺たちは
散り散りバラバラ
地獄へと堕とされた

過去に会った者たちも
顔が晴れ原型をとどめぬ
阿鼻叫喚
苦しみは限りなく
終末の様相

だがそこで肝心なのが
“ここがエンディングではない”と理解することだ

物語は続く
終わりはない
この酷い地獄もまたストーリーの一部

ならば、元々大筋はあったのかもしれないが
自分で好きに書き換えて仕舞えばいい
俺のポケットには幸い万年筆があった

そう思った時
頭上に蔦のように降りてきているロープが見えた

なるほど
どこにでも救いはあるものだな

俺はここにいる誰よりも
冷静だった

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