私は長きにわたって仕えた宮廷を追われ
旅に出た
寒空の下
たどり着いた湖で真っ暗な幻影に出会った
それは私の中に長年住みついた闇の化身が還る本体
化身もまた、理由は明かさずに宮廷を去った私と同様
何も言わずに私と別れを告げた
どうやら宮廷を追われたことが関係してるようだ
利用価値がなくなったのかもしれない
ともかく、そのようにして、
私はこの度の途上で
いろんなものを手放している
なぜかはわからない
だが、もうそれらは必要がないと感じるだけ
どんどん身軽になり
魂が少し身体から抜け出ているような感覚すら覚える
それでも最後に残ったのは、この一本のギター
ミンストレル(宮廷芸人)は、もう一つの意、《吟遊詩人》へと変わったのだ
同じようで、違う
笑わせるためではなく、笑うために歌う
この孤独で真っ暗な湖の前で
静かに、決意したのだ

