Mirror of Truth(真実の鏡)/INs°611

新しい鏡をよく覗き込んだら
新しい自分がいることに気が付いた
鏡の奥の世界から
おいでおいでされて

俺は古い鏡を避けてきた
そこには何か不穏なものがあるんじゃないかと恐れていたから

怖かった
ただただひたすらに

その恐れは
俺にたくさんの制限を強いてきた

己の良さでさえ
認めない自分になりかけていた

我慢ならなくなった俺は
手斧でその古びた鏡をぶち壊した

長い年月がかかったけれど
その瞬間に、心の重しを全部投げ捨てたんだ

するとどうだ

あんなに拘っていたものが
憑き物が取れるみたいに煙が如く、消えた

新しい鏡を壁にかけると
その中にだだっ広い空間があった

俺はそこにいる自分に笑いかけ

それから、冷たい水で顔を洗ったんだ

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