新しい鏡をよく覗き込んだら
新しい自分がいることに気が付いた
鏡の奥の世界から
おいでおいでされて
俺は古い鏡を避けてきた
そこには何か不穏なものがあるんじゃないかと恐れていたから
怖かった
ただただひたすらに
その恐れは
俺にたくさんの制限を強いてきた
己の良さでさえ
認めない自分になりかけていた
我慢ならなくなった俺は
手斧でその古びた鏡をぶち壊した
長い年月がかかったけれど
その瞬間に、心の重しを全部投げ捨てたんだ
するとどうだ
あんなに拘っていたものが
憑き物が取れるみたいに煙が如く、消えた
新しい鏡を壁にかけると
その中にだだっ広い空間があった
俺はそこにいる自分に笑いかけ
それから、冷たい水で顔を洗ったんだ

