「今回は月がモティーフです」 – スウェルト氏インタビュー

みなさんこんばんは、こちらは「サウンド+ヴィジョン誌」編集長のタナカ・ソウヂがお送りするWooTube(ウーチューブ)チャンネルです。 今回も感染ウイルスが世界中に蔓延してしまっているこの状況をかんがみて、自宅スタジオからお送りします。

タナカ:スウェルトさん、再びご登場いただきまして感謝いたします。
聴きましたよ、ENCORE#2の新しい3曲!

スウェルト(以下、太字):ええ。ようやく完成しました。

— カノルスさんに当チャンネルにご登場いただく予定で進めていたのですが、すっぽかされてしまいまして。

ハハ、やっぱり。彼らしいですね。実は完成したのと同時にもう次のレコーディングに入ったのです。そっちに専念したいので私に番組に出てくれということでした。

— そうですか、それは残念。この不肖タナカ、きらわれてるのかなって心配でした(笑)ではすいませんが、代わりにスウェルトさん、作品紹介をお願いできますか?

わかりました。イルニェシュタンの続編として、13曲目、14曲目、15曲目を今回リリースしました。「月」をモティーフにした3曲となっています。

N°13. MOONLIGHT(ムーンライト)
N°14. MOONSTRUCKER (ムーンストラッカー)
N°15. MOONSHINE(ムーンシャイン)

— なぜ今回カノルスさんは、月をテーマにされたのでしょうか?

ハイ、これは私の予測ですが、今、現実の世界ではかなり大変なことが当たり前のように起きていますよね。そういったニュースが世界中から届けられるたび、気が付かないうちに自分の心も傷つけられていく。最初はガラスの表面についた、ちいさなちいさなひっかき傷のようなものかもしれません。でも、これだけそういうことが続けざまに起こると許容しきれなくなり最後には割れてしまいます。そうなりたくはないから耳をふさいでしまいます。で、そんなとき、何となく夜空に目をやると、月は何時もと変わらない姿を見せてくれるのです。変わらないものなどどこにもないけれど、ああやって月が空にいてくれる限り、まだ正気でいられる。時には姿を消すけれどまた戻ってくる。つらいものから視線をそらし、ただやさしい月の光に照らされる。そういう逃げ方をしたっていいんじゃないか・・。
と、カノルスはそういうことをこれらの曲に乗せたかったのかな、と私は考えています。

— なるほど。予測にしては妙に詳しいですね(笑)N°13「MOONLIGHT(月明かり)」を聴いていると確かにそんな感情が乗せられている感じがします。いつになく優しい曲調ですしね。なんか「許し」っていう言葉が似合いますよね。「なぜに君、憂鬱?闇に紛れつつ照らされたらいい」というフレーズはカノルスさんが自分自身に言っているのかもしれないな。ウンウン。それから「イスラエルの夜空ににべもなく浮かぶ月」の、イスラエルというのはあの、古代神話で存在していたとされる都市の名ですね?これはどういうことでしょう?

ええ。これもまた推論ですが。イスラエルというのは本当にあったか定かではないですが、アース神話で「聖地」があったとされる場所です。ですが、実際は聖地というには不似合いなほど、血の流された場所でした。

— そうなんですか?それはよく知りませんでした。神話とかは不得手なもので・・(笑)

立場の異なる人たちが同じ場所を聖地としたことが悲劇の始まりだと言います。この聖地を巡り、長きに渡り血を血で洗う争いが繰り広げられました。最終的に決着がつかないどころか、互いに滅び去る結末を迎えたと言われています。そういう意味で、イスラエルは終わらない争いの象徴として使っているのでしょう。そんな場所でもやはり月は昇るのです。

— 立場の異なる人たち同士が同じ理想を求めて争う、これってまさに今の世界そのものじゃないですか?どうして仲良くできないんでしょうね。

それが神話の世界も、今の現在の世界も変わらない、人のサガなのではないですか。いずれ互いに滅び去るとしても。

— ・・・。話題を変えましょう(笑)N°15「MOONSHINE」というのは、月明かりの中で作るという比喩から「密造酒」を意味する言葉ですよね。知ったかぶってますがコレ、カノルスさんのファンの方からの受け売りです(笑)

ええ、これは私自身がAROMを作る仕事をしていますが、私自身まさに密造の歴史の末裔ということになります(笑)
もちろん、今は法的にクリアですよ。ですが、これにはなかなか深い事情と歴史があるんですよ。話すと長くなるんで今日はやめときますが。彼はレコーディング中、ウチの蒸留所の書庫でそれに関する本を読んだと言ってました。今回、蒸留所でレコーディングの大半をしましたが、待ち時間もずいぶんありましたから。多分それからインスピレーションを得たんでしょう。
ムーンシャイン、面白いタイトルだなって思いました。詞も謎めいているので、彼の心を読み解くのは難しいですが、おそらく「秘め事」というのはいつか暴かれる。でもそれは誰かにとやかく言われることじゃないってことなのかなと私はとってますが。

— 確かに、関係ない人が出しゃばってモノ申すみたいなことが昨今多いですね。おっと、ここでお時間です!あんまり音楽のことは聞けませんでしたが、最後にヒトコト!スウェルトさんお願いします。

はい、イルニェシュタンをお求めいただいた方にはすでに月の3曲が届いているかと思います。ぜひゆっくりと、色々考えずに聴いてもらえればと思います。色々言っちゃいましたが(笑)。それから初めにも言いましたがカノルスには珍しく、また新しい曲のレコーディングに着手しています。カノルス曰く、「今ノッテきてる!」のだそうです。今度はですね、せかい・・・

— ハイ、スウェルトさんそこまで!お時間です。また次回の「サウンド+ヴィジョン」チャンネルでお会いしましょう。サヨナラ~~!!

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