光脈ハンター

ある時、私はふと考えた。

私のなかには光の脈がどれほど眠っているだろうか、と。
その光の多くはいまだ、掘削されていないのではないだろうか、と。

それは非常にもったいない話じゃないか?
人生は有限だ。ぐずぐずしていられないぞ!

と、ある日思い立った私は、毎日朝目を覚ますと、作業着に着替える。
自分の内側へと降りていくロープをたらし、少しずつ、掘り進めることにしたのだった。
奇妙な形をした小さなツルハシを手に、麻袋を肩から下げて。

コンコンコンコン、と。まいにちまいにち。
飽き性の私だが、なぜかこの作業は嫌いじゃないのか、かれこれ半年続いている。

時折、ツルハシが欠けるほどの固い岩にぶち当たることがある。
だが、そういう時こそ、決まってきらびやかな光が手に入るのだ。
これまでにも、いくつも見つけては麻袋のなかに入れてきた。
まばゆく、そしてほの暗く、様々なカラーを含んで明滅を繰り返す光たち。

その光たちをみて思うのだ。
俺はまだまだ捨てたもんじゃないぞ!とね。

だんだん、直感が働くようになり、それほどむやみに掘らなくても済むようになってきた。

だけど、まだ終わりが見えない。いつ終わるのだろう?
いやそうじゃない、この探検に終わりなど迎えてほしくはないのだ。

人呼んで、光脈ハンター。
私は今日も掘り続ける。