暗闇の中をそぞろ歩く俺たち
移り変わる季節の狭間に落っこちたみたい
雨に濡れた石畳の坂道を降りていく
外灯の光が反射して拡散する
またこの道だ
幾度も幾度も繰り返される
いい加減嫌気がさしたが
かといって他にやることもない
裏ぶれた通りの入り口に立つ女
こちらを撫で回すように見る
怪しい視線だ
煙草に火を付ける
肺を刺すような呼吸で無理矢理自分をリラックスさせる
どうやら場違いな街に来ちまった
それでもここをくぐり抜けなきゃあとはない
やるんだ
どうにかこうにか
幸い雨は上がってる
もうすぐ星たちがちらつき始めるだろう
そうなれば俺たちの時間だ