fFcanorus – カノルス –

「ムッシュ、あなたが何故ここに来ることになったかわかりますか」
えーっと今後の展望を知りたかったからです・・と伝えたムッシュ。

「はい。それもありますが、あなたが、《あなた自身》を知るときがついに来たからなのですよ」

ボク自身？

鍾乳洞を抜けると不思議な静寂があたりを包んでいました。
森の中は総じて静かだったが、それとはまた違う静けさ。
静謐というか。

あくる朝、ムッシュはパチリと目を覚ましました。
とても前の日までクタクタだったとは思えない、漲る元気を感じていました。
この森の持っている力が彼に活力を与えているかのようです。

「さあ、修道院へ」

ムッシュは焚火の前に座りながら、ギターを取り出しました。
瞳に焔がメラメラと映り込み、彼は少し放心しているかのようです。

もうあたりは暗くなってきている・・今夜はここにテントを張るか。

皆さんごきげんよう。
まだまだたどり着けない修道院・・！

だばだ～だ～ば
だばだ～だばだ～
っと。
朝はやっぱりうまいコーヒー淹れなくっちゃ始まりません。

う～～～ん、気持ちイイ。
涼しくて最高。
あらら、昨日の片付けしないで寝落ちしちゃったヨ。

食った食った、飲んだ飲んだ。
あとはもう寝るだけだ・・ぐう。

火を起こすのにまたちょっと手こずったけど笑、煌々と燃えております。
いい具合に熾ができてきたので焼きますよ〜！

以前の経験から野外生活は手慣れたものだけど、テントの設営は実は苦手。
っていうか、一人だとやりづらいんだナ。

木々が風に揺れてさらさらと音を立てる。
少し森の中へ散策しに行ってみよう。

いやあ、何とか着いた！
途中でやっぱりクルマが止まっちゃったけども。ハハハ
かなり気温が暑くてオーバーヒートしかけたんだ。
まあ、それはともかく。
ここが、そう。黄金渓谷／ØRVALLEYオルヴァレィだ。

暑い、暑すぎる！

沈みかけた船から、私は脱出する
ついに終焉の始まりが宣言されたのだ