fFcanorus – カノルス –

メトロでは終日ストライキが行われるらしい
新たなフェーズへと向かう路線が遮断されている

夜空に浮かんだ不可思議な顔は
雲に隠れて輪郭がぼやけていった
声はまだ聴こえる
姿はあいまいになる

新月
真っ暗な空には星が輝く
星と星を結んでいくと星座になるというが
私には不可思議な顔が見えてきた

まんまるのアイスクリームが炎の上で溶けていく
ヴァニラの香りがあたりに立ち込め
そして燻されて灰に変わっていく

まもなく消えてなくなりそうな三日月
欠けていくさなか、月はムーンダストを産みだす

けたたましい打楽器の音で目を覚まして
土の中から躍り出たよ
踊り脅されて叩き起こされた

ハーフ＆ハーフの満ち欠けで
どちらの勢力も拮抗している
そういう時は捉え方ひとつで運命も変わる

都会でも田舎でもない、この代わり映えのしない町で
僕は歌ってる
いつかは大きく羽ばたきたいと夢を見ても
次の日には現実に戻ってる

人を寄せ付けない雪山で
冬の精霊たちは姿を現す

ホワイトアウト、視界ゼロ
心底凍えてしまい、オレはこれまでかもしれない
限界を超えた時、ざわめきが消え、遠くからささやきが聴こえてくる

ぼくの中のこどもたちが泣いてる
いつもかけてもらいたかった言葉や
かなしいときに感じたかった体温
そういうものがもらえなかったのはなぜ

記憶のかけらをつぎ合わせていくと
人生が出来上がる

溺れそうになってもがいている時に
希望を持てるのか

進軍するも圧倒的に劣勢と解った時
挽回を図るべく最後の手段を取らなくてはならなかった

夢の中で、ミステリアスな旅に出た
遠い国の島に

冬の夜は冷たく長く、命の芽生えは見受けられない
だがあなたがベッドの中で暖かな眠りを得ている間
ひそかにそれは起きている