スコットランド旅② オークニー島・ハイランドパーク蒸留所Scotland/Orkney/Highland Park

いつものことながら貧乏旅ゆえ、豪華なホテルなど夢の先。
ホテル、ではなくホステルに2泊のプラン。個人部屋で1泊3,000円程度。物価が高いイギリス/スコットランドにおいて、激安の部類に入る。

その①はこちら

食べ物は自分で調達していく必要がある。ロンドンのスーパーで買った缶ビールとサンドイッチ、スナック菓子、リンゴがかばんに入っている。

終バスでカークウォール市街に降ろされ、グーグルマップで調べながらホステルを目指す。

暗い、雨、長時間の移動による疲労。
等々、不満はいろいろあるけれど、何はともあれベッドにたどりつけば今日は万事オーケーだ。もう少しだけがんばろう。

歩きながら以前訪れたアイスランドを思いだしていた。あの時よりは風が強くないのが救いかな。

歩くこと30分、大きな通りから脇に入ったところにホステルの入り口があった。一度は通り過ぎてしまうほど、わかりづらかった。

店番をしていた学生らしき女の子に案内してもらい、自分の部屋へ。

居心地は悪くないが、携帯の電波が弱く、Wi-Fiの使える食堂まで行かなくては調べ物ができない。ともかく今夜は一杯飲んで、シャワー浴びて寝よう・・。

そうそう、シャワーといえば。

トイレとシャワーは共同だったのだが、シャワーの給湯器の使い方が何しろ意味不明で困った。

壁には英語で、

「この機器を使うにはちょっとしたコツが必要で、初めての人には難しいかもしれません。ウチには予算があまりないけれど来年にはイイ感じの機器を導入するつもりなので待っててね!」

とある。
ふむ、たぶん来年は来ないかもしれないな。

ちょぼちょぼと水圧の弱い冷たい水しか出てこず、四苦八苦。お湯が出たと思ったら、激アツ!しばらく格闘して、ようやくヒトが浴びられるポイントを見つけた。

そこで誓ったね。
明日は入るのやめとこう・・と。

なんとかシャワーを浴びて、缶ビールも一本飲み終わり。
さーて、明日は歩き回るし、さっさと寝るか!
あっという間に眠りに落ちた。寝付きのよさは我ながらピカイチなのである。


翌朝、共同キッチンでは宿泊客たちが各自思い思いにご飯を用意して、腹ごしらえをしていた。食べ終わったら皿洗いも自分でやる。自分もそれに倣って食べた。

今日の最初の予定はハイランドパーク蒸留所の見学。
朝10時に予約していたため、朝食は簡単に済ませ(そもそもカンタンなものしかもっていないわけだが)出かける準備に取り掛かる。

自分の部屋から見える風景。なんとも微妙な空。

外を見ると残念な空模様。いよいよ出かける段になると雨が降り出した。風も冷たそうだ。
あんまり出歩いている人はいない。それはそうだ、同感。出かけたくなど・・ない。だけどすでにプランは変更できないのだ・・。
カッパを着て、トボトボと目的地へと歩き出す。

物珍しそうに見つめられた。
このあたりの家は木材が使われていない。木が生えない土地柄のためだ。

雨とはいえ美しい風景が広がるオークニー島に、にわかに興奮してきた。
緩やかな坂を登りつつ、途中で振り返ると霧もやの先になだらかな芝生の丘が見える。
さらに進んで坂を登りきったところで右に折れる。と、ひときわ黒いレンガ造りの建物群が見えてきた。

ハイランドパーク蒸留所だ。

重厚な雰囲気を醸し出す
オークニーのいたるところで出合う、石板のような平たい石を途方もなく積んだ壁。右の建物がウィスキー貯蔵庫のようだ。

朝10時からテイスティングを含めたガイドツアーを申し込む猛者は私だけのようで、ガイドのおじさんと1対1で蒸留所内をめぐることになった。

ところが、彼の英語がさっぱりわからない。

自分に英語力がないのは分かっているが、それにしてもわからない。

・・あ、なまってるのか!

失礼。スコティッシュイングリッシュってわけか。
こらまた想像以上に・・スコティッシュであった。

想像してほしい。言葉が全く通じない同士のツアー・・。
しかもおじさんはものすごく早歩きである。

結果、所要時間1時間半とされていたガイドツアーは10分で終了した。
チーン。まあ、そうなるのもムリはない。
仕方ないのでツアー終わりのお約束のテイスティングをたっぷり時間をかけさせてもらった。気が付くとおじさんはどこかに行ってしまったが・・。

とりあえず、乾杯。朝イチのウィスキーも悪くない。
ここのウィスキーが一級品なのは間違いなさそうだ。

スコッチウィスキーの中でもとりわけ、ハイランドパークは売り方がうまいと思う。コンセプト、パッケージなんかを見ても、ほかと一線を画している。ブランディングが秀でている。
自分のやりたいことにとっても、いろいろと参考になった。

さて、ウィスキーも飲み干してしまったし(試飲だからたいして量はもらえない)、ハイランドパーク蒸留所を後にして、市街地へ向かうことにしよう。
昼飯が食いたくなってきたから。

さーて、歩くか。

と外に出たとたん、一段と激しい通り雨!

しばし軒下で、雨宿り。
目まぐるしく変わる天気はかのアイスランドで経験している。
大丈夫。そのうちに雨脚も弱まるだろう。

その③につづく

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