スコットランド旅⑤ 本土到着インヴァネス、ネッシーScotland/Inverness/Loch Ness

今日は移動日。

朝、といってもまだ真っ暗なAM5時に起床。
宿泊したB&Bの1Fキッチンでひとり、パンを焼き、オレンジジュースをグラスに注ぐ。オーナーさんもまだ就寝中。

起こしてしまわないように、なるべく静かに音をたてないように気を付けながら食べる。昨晩、「朝食を用意しておくからね」と言われていた。なじみもなく、誰もいない部屋で一人ひっそりとご飯を食べるというのは、不思議な気がするものだ。

食事が終わると部屋に戻って身支度を整え、そっと家を出てゆく。出がけにThank Youとささやく。そして、まだ真っ暗闇の長い下り坂を歩いて、フェリーポートまで向かう。街灯はない、時折猛スピードのクルマが横を通り抜ける。こんな早朝にそんなに急いでどこへ行くんだ?

30分弱歩くとストロムネス港に到着。

停泊している大きなフェリー「North Link」が自分が乗るフェリーのようだ。カウンターで名前を伝えチケットを受け取ってフェリーに乗船。レストランやお土産屋等々充実している豪華客船と言った風情。

船内を色々歩き回ってみたくもあったが、それよりも今の自分が欲しいのは睡眠だった。
とりあえず、1時間半の旅、しっかり眠らせておう・・。

時間通りに出向したフェリー。
ゆっくりと本土へ向かってその大きな体躯を動かし始めた。


アナウンスで目を覚ます。本土・スクラブスター港到着のアナウンスだ。
うーん、まだまだ寝ていたい。
これから降りてまた歩かねばならんのか。いささか、めんどい・・。
旅の疲れがちょっと蓄積してきたようだ。

今日はスコットランド第3の都市・インヴァネスにまで行く予定だ。田舎風景ばかりだったのでこのあたりで都会をはさむのも悪くない。そろそろ、スコットランドの郷土料理でも食べたいな。

フェリーを降りて外を歩きだすと、さっきまでの眠気はすっかり消えて歩く気満々になってきた。これぞ旅マジック。初めてみる風景が目覚めに効いたようだ。最初は港からバスか電車で市街地に向かう予定だったのだが、歩くのがとても気持ちよかったので徒歩に変えた。少しでも小銭は温存しておきたいし。

目的地のインヴァネスへの特急電車は、この街の「サーソ(Thurso)」という駅から出ている。歩いて2キロほどの距離。海沿いの遊歩道をトボトボと歩いていく。

えっちらおっちら歩く。 時々ランニングをする人達が横を通り過ぎる。いやはや、いいところに住んでますね。

サーソ市街地に到着。出発までまだ3時間ほどある。まだ早いと思いながらも駅に行ってみたけれど、駅舎の扉はピシャリと閉ざされていて9時まで開かないようだった。はてさて、どうして時間をつぶしたものか。
携帯で調べると、近くに無料の博物館があったので行ってみた。この街の歴史を展示していたが、うらぶれた感が逆に心地よい博物館だった。それによるとこの街もまたヴァイキングの歴史が残っているようだ。

それでもまだ時間をつぶしきれず街をブラブラ。時々通り雨が来るのが困る。合羽を着たり脱いだり。
歩き通しでお腹も空いてきた。だけど今から食堂に入るのもなんだかなと思って歩いていると・・売店発見!・・と、入ってみたらスーパーじゃなくて肉屋だった。肉だけでなく自家製のスコティッシュパイが売っている。ちょうどいい、後で電車のなかで食べよう。

ようやく電車の時間が来た。
駅構内は風が吹き曝しで寒い。真冬はちょっと耐え難いだろうな。

時間通りに列車はやってきた。予約席も無事確保されていた。
インヴァネスへは4時間ほどの列車の旅。
ひたすら平原のなかを進んでいく。

腹が減っていたのでさっそくさきほどのパイを取り出す。 が、冷えているので微妙。レンジで温めることさえできたらよかったのだが。つくづく、日本のコンビニは偉大だと感じる。あとさっきの肉屋でビーガン用のクッキーも間違って買ってしまい、あまりのまずさにびっくりした(肉屋でビーガン用とはこれいかに)。

あとは缶ビールを飲みながら外を眺める列車旅。世界の車窓から。

まずはホテルにチェックインだ。と歩き出したが駅から遠い!我ながらまた駅から離れた場所を予約したもんだ。値段だけで決めてしまった自分が恨めしい。

ホテルでひと休みしてから、食事に出かける。
素晴らしい夕暮れの空が広がっていた。

有名なスコットランドの郷土料理の店に向かう。ところが、店のドアに「本日、予約客のみ」の貼り紙が。仕方がないので、もう少しカジュアルな店に入った。

ラザニア風ハギスを注文。ハギスはヒツジの臓物と野菜を合わせたものに味付けをし、ヒツジの胃袋に詰めた料理。人によってはゲテモノ料理のように思われてしまうそうだが、味は日本人好み。昔給食で出たような、焦げたハンバーグに似ている気がした。

自分が頼んだラザニア風は胃袋詰めにはされておらず、炒めた肉野菜に大量のチーズがかかっていた。フリットも添えて。

ようやくスコットランドらしいメニュー。
うまい!ビールに合う!でも、めちゃくちゃオイリー。だんだん食べる勢いが鈍ってきた。
途中箸休めをしていたら、男性店員が心配そうにこちらにやってきて、「お口に合いませんか?」と聞いてくる。

「NO!NO!ちょっと休んでるだけさ。おいしいよ!ベリーグッド!」

食べては休み、食べては休み・・。ふう。

今度はパンキッシュなドギツメメイク&ファッションの女子店員が、

「終わったの?下げるわよ」

「NO!NO!ゆっくり食べるのが好きなんだ。おかまいなく!」

とりあえず、完食した・・。
一人旅は話し相手がいない分、食べるとなったらひたすら食べるしかない。
もう少しゆっくりやらせてもらいたいところだが、日本式もてなしは求めようもない。

店を後にした。
夜のインヴァネスの街をしばらく腹ごなしで歩き回っていたら唐突に教会の前にでた。入り口に明かりが灯っていたので吸い込まれるように入っていった。

数日異国で一人で過ごしてきて孤独感が募ってきていたのだろうか、この教会が慰めを与えてくれるような気がした。

翌日。

今日はこの旅2度目のレンタカーをする日。
だが、クルマを借りるのにわざわざインヴァネス空港まで行かなくてはならない。ネットで予約できるのがそこだけだったからだ。

駅前からバスに乗って移動。

バス停脇のカウンターに行き、チケットを買おうと思ったらここでは買えないといわれる。すげない対応だったが、じゃあ、いったい君は何をここでやっているんだ?場所くらい教えてくれてもいいじゃないか?
旅の疲労がたまってきているせいか、あまり食い下がる元気もでず、多少むっつりとしてそのまま乗り場へ行ってみる。

クレジットカードは使えるか?と運転手に尋ねると、ここにカードをかざしてくれと言われたので言うとおりにしたが、運転手は肩をすくめる。

「ダメみたいだね。」

なにそれ・・。しかたなく、なけなしのイギリス£を出し切ってなんとか乗った。小銭がこれで残り数セント。どこかでまた両替しないと。

空港に到着。思ってたより地方空港といった風情。
自分の予約しているレンタカー「エンタープライズ」の窓口を探す。

が、どこにも窓口がない。

さんざん探したがヨーロッパカーとエイビスしかどう見てもない。。
困りかねてコンシェルジュの女性に聞いてみる。

「外で待っていたらバスがくるわよ。」

「え?外ってどっち?」「あっち」

彼女が指さすほうへ半信半疑で歩いていってみるがそれらしいバスはいない。しばらく歩き回っていたら、見落としていた。よーく見たら「エンタープライズ」とボディにペイントされたヴァンが一台停まっている。う、そういうことか!お迎えスタイルってことなのね(と初めてそこで気づく)。
てか、ホームページにそう書いておいてくれ・・(見逃した?)

そのヴァンの前に立っていると、「エンタープライズご一行様」的な旗を持ったスーツの男性が空港出口からヴァンのほうに向かって歩いてくる。5、6人引き連れて・・。集合場所聞いてないけど?若干、仲間外れにされた気持ちがぬぐえなかったが、彼の持つ客リストに自分の名が載っていて安心した。

自分は助手席に座って出発。ドアミラー開いてくれる?と運転手。電動じゃないのね。そんなこんな、ヴァンに揺られること5分でオフィスに到着。
やっとこ、レンタカーをゲット。今度はフォード君である。6速MT車。

これがまたキレのあるいい走り!
(今回はバックの入れ方を教えてもらわなかったため、取説で調べてようやくわかった。)

今日の目的地は旅のメインイヴェント「スカイ島(Isles Of SKYE)」への上陸。
300キロのロングドライブだ。 ネス川沿いに西へ。

じゃあひとまず、ネス湖にネッシー探しに行こう。

しばらくしてアーカート城のパーキングに到着。城の先にあるのがネス湖である。

ネス湖を見渡す限りではネッシーはいないようだ。仕方がない・・かくなるうえは。

そう、ネッシーショップにやってきた。

ここで大量のネッシーに出会う。
グッズのクオリティは、こんなもんかな・・。
車もあるのでお土産物色。


さあて、ここから本格的にドライブ!と思ったら雨が大降りになってきた。

しかも辺りは建物など何ひとつない、別世界に突入・・。

この旅に出る直前、日本で自分が乗っているクルマが故障して走行不能に陥って大変な目に遭ったが、もしこんなところで故障したらと思うとゾっとする・・。
JAFみたいなサービスがあるんだろうけど、携帯の電波、微妙~。

本土の端、カイル・オブ・ロハルシュまで来たらあとは橋を渡り、スカイ島へ上陸する。

雨風で視界の悪い中、やっとの思いでスカイ島で一番大きな街・ポートリー(Portree)に到着!

この街に着いたら雨はどうにか止んでくれて、クルマを停めて辺りを歩き回った。
おおしかも安心のCORPがある!色々お手頃価格でうれしい。ビールも補充だ。これから向かうB&Bの周りは本気で店がないようなのであれもこれもと買っておく。

さて、日も暮れてきたし道を急ごう。
ポートリーから北上すれば今夜宿泊するB&Bはすぐだ。

⑥につづく

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