レゲエとダブ。
音楽フェスにはなくてはならないサウンド。
ステージの終わりが近づき、バンドのリーダーが言った。
「今日はフェスのスポンサーであるアルォム蒸留所のセニョル・スウェルトをゲストプレイヤーに迎えてる。紹介させてくれ。スウェルト氏はこの3年、ウイルス禍で多くの音楽家たちが仕事を失う中、それらのサポートや、今回のフェスが開催されることに誰よりも尽力してくれた素晴らしいやつなんだ。なぜかといえばそれは、彼もまたイチ音楽プレイヤーであるからだ。彼に拍手を!」
スウェルトは前に出ると、オーディエンスに手を振って応えた。
「じゃあ、スウェルトに一曲やってもらおう。オレ達は一旦ステージを降りる」
ステージにはスウェルトだけが残され、彼は客席に向かってこういった。
「じゃあ、スポンサー枠ってことで、一曲!と行きたいところなんだけど、誰か伴奏でピアノ弾いてくれないか。簡単なやつだからさ」