念願のソロデビュー

梅雨入り直前の6月某日、初めてのソロキャンプに挑戦した。

この頃は空いた時間はキャンプ用の道具(いわゆる”ギア”)を調べたり、それ関係の動画を観てばかりいる。

基本的に自分は出不精で、昔からどこかへあてもなく出かけるということができない。出かけるときは大いなる目的(と思える何か)を携え、フルスロットルで思い切り遠くへと出かける習性はあるけれど。これまでアイスランドやスコットランド、ギリシャといった普通の旅行ではあまり候補に挙がらなさそうな遠い国を選んできた。

ところが逆に、ご近所を楽しむことが苦手だ。
たまにクルマを走らせて目的も決めずに行こうと試みては、なんとなくその辺を迂回して戻ってきてしまうこと多数。酷いとどこにも立ち寄らなかったりする。

だからソロキャンプという楽しみ方を知ったのは自分にとってカルチャーショック(これは死語だろうか)であったのだ!

とりあえずキャンプ場(このあたりにたくさんある)目指してたどり着きさえすれば、これと言って何もしなくても構わないのだ。
地面の上にチェアを置いて腰掛け、うまい空気を吸いながら冷えたビールを飲めば、もうそれで目標達成である。それ以外のことは、その時の気分次第でオッケーだ。誰にも気を使う必要がないのだから(マナーを守るのは当然として)。

無意味かつ有意義な時間が、そこにある。

初めてのソロキャンプは美ヶ原高原・三城いこいの広場オートキャンプ場に決めた。家から1時間程度でつけるので楽々だし、クルマの乗り入れも可能、そしてソロ料金は格安。ちなみにテントはまだ持っていなく、宿泊は車中泊。

初めてのタープ張りに挑戦。最初はちょっと戸惑ったが、思いのほかスムーズに設営できた。インターネットでの予習が功を奏したか。ともあれ、こういうのはイライラしないで淡々とやれるかにかかっている。

タープを張り、その下にテーブルやチェア、クーラーボックス等々を運び入れ、近くに焚火台も設置。タープが火の粉で燃えないかちょっと心配。とりあえずキャンプしている感はでてきた。

新緑がとてもきれいなので管理人さんオススメの登山道を散策しにいく。上流から流れてくる川に沿って散策コースがあり、まばゆいばかりの緑が目に飛び込んでくる。

往復3キロほどの散策を終え、そろそろ日暮れが近くなってきたのでそろそろ焚火を、と思ったが薪割をやっていなかったことを思い出す。斧が小さい割に薪が大きく、苦戦を強いられる。ハアハアいいながら、カコーン、カコーンと入魂。

なんとか日暮れ前にスタンバイOK。汗だく、喉もカラカラ。

ここで満を持してクーラーボックスからキンと冷えたコロナビールを取り出す。ちゃんとライムも切ってきた。こと酒に関しては抜かりない。搾り入れると細かな飛沫が立ちのぼる。

いつもよりゆっくりと日が暮れていく。
自然に囲まれながらひとりきり、宴を始める。
焚火の匂い、 焼ける肉の匂い、 木々や花が放つ匂い、そして夜の匂い。
いろんな匂いが混ざり合ってこの空間を満たしていく。

高地だが気温はちょうどよく、幸い持参した上着の出番はなさそうだ。
焚火の熱だけで充分居心地がよい。

気が付けばかなり夜も深くなり始めていた。
寝る前にトイレに、と通路を歩きながら何気なく夜空を見上げたらば。

結局、ひとりの撮影大会が日付が変わるまで続いた。

静かな朝。
顔を洗ってまずは焚火の灰の片付け。地面を焦がさない焚火台が好きだ。
焚火をやったという痕跡が全く残らないのがいいんです。

片付けがひと段落着いたらガスで湯を沸かし、コーヒーをドリップで淹れてひと休み。

朝食は雑炊。ズッキーニと卵のスープをコンソメと醤油、塩コショウで味付け。 そこにご飯を入れ、オリーブオイルをひと回し。最後に昨日の残りの肉を焼いてトッピング。

食後にコーヒーもう一杯。

そろそろチェックアウトの時間が迫っていた。ゆっくりしていたら片付けの時間があんまりなかった。最後は大慌てでクルマに荷物を放り込む。

またすぐにでもソロキャンプに出掛けたい気持ち。
一人遊びは大人の今こそ最高に楽しめると思う。
好きなことを発見するのは人生の醍醐味、ではなかろうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください