それほど遠くない渓谷でストームが哭いてるのが聴こえる。
歌うように。泣いているようで実は笑うかのように。
いずれここにもやってくるかもしれない。
さっき通り過ぎたあの山小屋に戻るべきだろうか。
いや、もう少しだけ登り続けよう。
もう少しだけ・・。この先にビバークポイントがあるはずだから。
突然、ストームの哭き声が耳をつんざく。
思考が一瞬、完全に遮断された。
決断はすでに遅かったようだった。
山のセイレーンが、全部凍り付かせようとやってきたのだ。
不穏な息吹があちらこちらに満ちてくる。
肚をくくらなくてはならなかった。
ムッシュより
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