つるぎを空に翳して /INs°048

聖ミカエルの剣はあの山に奉納してある
モンサンミシェル(ミカエルの山)に

私はかの大天使の申し子となりて、神託を受けた
あの山に城を築かねばならぬ
天秤の導きを得て私は山を目指す

聖なる方へ、正なる方へ
光と闇の終わることなき戦いの切り札となる城だ
築かねばならぬ

そこにはまだ誰も到達していない
そこには誰も価値を見出していない

だがわかるものにはわかるのだ
萌芽はすでに大地に芽吹き始めている
いずれそこが聖地となり
光出(いず)る王国となることを

私はたった一人で
石を運ぶだろう

私はたった一人でも
月明かりを頼りに働くだろう

いつか城が出来上がったとき
つるぎを空に翳して
勝利を宣言する

聖杯を皆の手に
祝福は皆の頬に