日曜日は市議会議員の選挙があった。
正直に言って、だれに入れていいのか・・・わからなかった。
もちろん、投票は行ったけれど・・。確信とか手ごたえみたいなものはなく入れる感じ。
現職も多く含まれていて、「契約更新」的な感じで候補者本人たちもとらえているのではないか。
ここしばらくの間、遊説カーが街を賑わしていた。
名前と顔を覚えてもらって一票入れてもらうためには、まあ確かに必要な活動だとは思う。
だけど、どの候補者の選挙カーも僕の疑問をスッキリと晴らしてはくれなかった。
聞こえてくるのはたいていこんな調子だ。
「市議会議員候補の〇〇△△、〇〇△△です!皆様の清き、清き一票をぜひ〇〇△△に賜りますようお願い申し上げます!(以下繰り返し)」
多少の言い回しの違いこそあれ、基本的にどの人も同じようなことを言っており、それ以上に突っ込んだことを言いながら走る遊説カーは皆無。
まあ、公道を走っているから超低速というわけにいかないのはわかるし、込み入った話をしても途切れ途切れになってしまうから難しいというのもあるだろう。そもそもウグイス嬢もバイトが多いはずだし。
この喧伝、僕にはこう言われているのとあまり違いがなかった。
「ご飯のお供、ふりかけ!ふりかけです。どうぞみなさまの真心のお財布で、ふりかけをお求めください!!」
そのふりかけはどんな味だろうか?
磯ノリが芳醇な海の香りを立てるのだろうか?それとも、シソのさわやかな風味がご飯を何杯お替りしても飽き足らないほどの食欲を掻き立てるのだろうか?
そう、遊説カーのスピーカーから聞こえてくる言葉からは、どんなふりかけ議員なのか、さっぱりわからないのである。
そのうえ、僕はそれほど記憶力がよくないのか、ガンガンさっきまで連呼されていた名前を覚えていない。いきなり目を血走らせた人が叫びながら駆け寄ってきた、くらいの迷惑な感情しか抱いていないせいだろう。
じゃあどうしてほしいのか?
例えば、
「私はふりかけです!ほら、あなたが好きな塩昆布を大フィーチャーしてるんです!含有率60%以上~~~!!」
と言いながら去っていったら多少印象は違うかもしれない。
もちろん、塩昆布というフックは、だれにも有効ではないかもしれない。僕もそこまで好きではない。
だが、何十人、何百人へとそう声を掛けたなら、塩昆布がめっぽう好きな人に出会うかもしれないし、その人は速攻で買いに走ってくれるかもしれない。支持者を募るとはそういうことではないのか?
誰でもいいからとにかく入れてよ~!!
というトーンでは、思考停止としか言いようがないし、しょうもない押し売りのようだ。
現職の議員であるならば、過去4年間、何をやっていたか、成し遂げたか、少しは教えてくれたってよさそうなものだ。それを、「女性の立場で」とか「市民の目線に立って」「誰一人取りこぼさない」とか言われても、何の約束にも、報告にもなっていない。
世の中に自分が寄与しているのは何か、一票をいただくのに値する存在かどうか?
そこをきちんと考えて行動しているかどうか、がその人の遊説には表れていると思うのだ。
そんな話を書いていたら、イヤ~な思い出がよみがえってきた。
もう書いちゃおう笑
個人的に、議員サンという立場の人にはあまり良い印象がないのだが、過去にとある女性の市議会議員にヒステリックに怒鳴られたことが端を発している。
あまりにも一方的だった。彼女が怒鳴ってきたことについて、僕は怒鳴られる理由も、落ち度もないと思っていて、「僕の話を聞いてもらえますか?経緯を説明しますから」と言ったらば、「あなたの話は聞いていない」というあからさまな態度をとられてしまったのだった。ピシャリ。
そのうえで彼女は、
「あなたは悪い。私はその場にいなかったけれど、あの人はそう言っている。あやまりなさいよ。ホラ!」ときた。
じゃあその当人を呼んで一緒に話しませんか・・
「ハア?!いきなり今日の今日で来れるわけないでしょう?ちょっと考えたらわからない?」
押しかけてきたのは彼女の方であったのだが・・。
やれやれ、今思い返してもこれは酷い・・笑
そこからだ。
議員サンというのは議論をするのが仕事だと思っていたのだが、そうではない人もいるということを知ったのは。
街かどに貼られたポスターのスマイルとは似ても似つかない鬼の形相・・。
髪を振り乱し、こちらをねめつけるような視線を飛ばしてきた。
この方とは別に個人的な友達でも知り合いでもないのだが、こちらは敬語で話すのだが、タメ口・・。なんで?笑
ま、とにかく、おっかなかった思い出である笑
実は知人から頼まれて過去、この方に票を入れたこともあり、それで実際当選をしている。
非常に後悔をした。
だが、人となりなど、まったくわからないで票を入れるケースのほうが圧倒的に多いはずだ。
後悔しても、その気持ちはどこに向けてよいのやらさっぱりわからない。虚しさだけが残った。
まあ、人柄は最悪でも仕事をちゃんとやってくれさえすれば別に構わない、のだが、こちらの話も聞かずに怒鳴り散らす人にまともな仕事ができるのかは、はなはだ疑問だ。
どう思います?
とまあ、自分のこういう経験もあって選挙については斜に構えてしまう。
だけど、投票に行かないという選択肢は自分にはない。
ネガティブな理由かもしれないが、「この人にはなってほしくない」と思う人がいるならば、その人以外に入れることもまた一つの選択肢だと思うからだ。
だけど本当は、この人に託したい、と思わせてほしい。
ステレオタイプな遊説を聞くたびに、そう思う。
もちろん、自分から情報を取りに行くスタンスでなくてはダメ、なのだけどね。