命名を、長年の友に

だいぶ長いこと、ちゃんと弾いていなかったk・Yairiのアコースティックギター。
肩から下げて立って弾いてみるが、うまく弾けない。

そして、スチール製の弦が指の腹に食い込み、痛みを感じる。かといって抑えが弱いと上手く鳴らない。
それだけ弾いていなかったということだ。

このギターとは長年、ライブでも常に一緒だった。
一度、トラブルに遭いネックが折れかかってしまって大手術をした。
傷跡は残っているものの、メーカーのリペア職人により素晴らしい修復が行われた。
3年ほど前には岐阜の可児市にあるメーカーの工房に伺い、メンテナンスをしてもらったのだが、そのあたりで今度は逆に僕自身が、弾くモチベーションを失ってしまったのだった。

2023年6月。
再び、時は巡り、僕の手の中で奏でられる時がやってきた。
互いに少し、距離感を感じている。長い時間が経っていた。

それでも、旧友はきっと僕を許してくれるだろう。
この手でたくさん弾いてあげることで、また煌びやかに鳴るに違いない。

生まれ変わったこの声と、今まで行けなかった世界へと再び三度(みたび)、これから苦楽もともに行くのだ。
今日はそのための音合わせ初日である。

だから、今までなかったけれど、彼に名前を付けることにした。

CANOⅡ(カノ・ツー)

思えば、過去の曲の多くや、「canorus」という曲も作曲したのはこのギターだった。
メインで使ってきたアコースティックギターとしては2代目ということから「Ⅱ」も付けることにした。

さあ、指の皮が剥けるくらいに練習をしなくっちゃな。

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